虎ノ門政策研究会
設立の経緯
当会は、昭和59年3月(1984年)、官界、産業界、言論界の三位一体による政策研究機関として設立されました。折しも、当時は米国の対日貿易赤字が過去最高となり、日米通商摩擦が本格的に激化、ソビエトではアンドロポフ書記長の死去により、共産党内部の政治路線が混迷したことで、米ソ冷戦が新しい局面を迎えるなど、今日の国際社会の激動の芽が一気に噴出した時期でもありました。
こうした中、日本経済は丁度、バブル期に向けた景気の緩やかな上昇が続いていましたが、内外の激変する経済に機動的に対処するには、官・民一体となって国の経済政策を研究し、その成果を速やかに行政に反映させるとともに、産業界の行政に対する理解と支援を深めていく「場」の創造こそが、社会的な急務とされていました。
もちろん、当時において官民交流の場がなかったわけでは決してありません。むしろ、それぞれの産業、業種毎に積極的な交流がなされていたのですが、それは結果として日本経済の政策と現状を点として、部分として捉える傾向がありました。戦後の経済が極めて順調に発展してきた経緯からすると、それも止むを得ないことだったかもしれません。官民共に緊張感の欠如に覆われていたといえるでしょう。
そこで、スタートしたのが虎ノ門政策研究会でした。いかにして新しいシステムの研究・交流の場を創造するか、テーマや講師の選定は、官庁への協力要請は等々、様々な課題にチャレンジしていく中で、当会の基本理念が徐々に育まれていきました。
それは、官と民との<自由なふれあい広場>というものでした。以来、通産、大蔵、運輸省(当時)等を始めとして、ほとんど全ての省庁のご協力を得ながら講演会や研究会等を開催。政府資料や情報の配付、官庁名鑑の配付、機関誌の発行、自治体との交流、施設見学会等の事業を活発に展開しております。とりわけ、当会ならではの特色が研究会の開催数の多さです。講演会、研究会には中央省庁を中心に多くの講師に出席していただき、毎月5〜6回のペースで開催していますので、1年間で約60〜70回の数に及ぶことです。また、テ−マも経済産業政策、エネルギー、技術環境、国際、情報通信、財政金融、国土交通等々11の政策課題ごとの分科会に分けたことで、より官民のニーズを反映したきめ細かな情報の交流が図られ、互いに本音の意見交換がなされることも、もう一つの当会の特色です。
なお、会員は日本を代表する大企業および産業団体を網羅し、当会の各種会合を通じて異業種交流の場としても回を重ねる毎に会合は盛況を呈しております。
<主な事業>
1.政策研究会の開催
毎月1回以上開催する大型の講演会です。時宜に適した国政にかかわるテーマを選び、中央省庁のトップあるいは政党幹部を講師に招き、政策の方針や中身を聞き、会員との間で質疑応答を行います。講演では新聞やテレビなどマスコミに発表されない政策の舞台裏や談話も披露され、会員にとって貴重な情報源となっています。また経済政策以外の内外政治・外交・軍事などもテーマとしてとりあげ、著名評論家らを講師に招き、総合的な時代トレンドの勉強に役立っています。
| [政策研究会の開催例] |
| テーマ |
スピーカー |
| 今後の経済産業政策について |
経済産業事務次官 |
| 今後の中日経済協力 |
中華人民共和国 駐日本国大使館公使参事官 |
| 今後の日米経済関係 |
米国大使館経済担当公使 |
| 総選挙の結果と今後の政局 |
政治評論家 |
| 製造業の課題と展望 |
経済産業省 製造産業局長 |
| これからの政党のあり方 |
前財務大臣 |
| 新産業創造戦略について |
経済産業省 経済産業政策局長 |
| 知的財産立国をめざして |
特許庁長官 |
| 情報経済・産業ビジョンについて |
経済産業省 商務情報政策局長 |
| 跳躍するインド 〜これからの戦略的な日印関係〜 |
元インド日本大使館公使 |
| 裁判員に選ばれたら 〜企業の役割と責任〜 |
最高検察庁検事総長 |
| 最近の国際金融情勢 |
財務省国際局長 |
| 最近の国土交通行政 |
国土交通省 総合政策局長 |
| これからの観光行政の課題 |
観光庁長官 |
| APECと今後のアジア太平洋政策 |
経済産業省 経済産業審議官 |
2.研究部会の開催
官民の《自由なふれあい広場》を象徴する小グループの研究会です。現在、経済産業政策、国際関係、資源エネルギー、情報通信、技術環境、ニューMETI、マスコミ、財政金融、政策、政経、国土交通の11研究部会があり、それぞれ年4〜5回、計50〜60回のペースで開催しています。研究部会では、スピーカーに各省庁の政策立案・執行の当事者を招き、個別の政策テーマについて掘り下げた討論をします。会員は希望によってどの部会にも参加できますが、11部会ともだいたい40人前後の登録メンバーとなっています。官民ともビジネス第一線の顔ぶれですから、実務に即したキメ細かい質疑応答がされ、また登録メンバーもほぼ固定しますので、官民および異業種間の個人的なふれあいをともなった政策研究の場となっています。
[各研究部会の開催例]
| 経済産業政策研究部会 |
| テーマ |
スピーカー |
| 日本経済の構造問題 |
経済産業省 経済産業政策局 産業構造課長 |
| 企業の社会的責任(CSR)と今後の我が国の対応 |
経済産業省 産業技術環境局 標準課長 |
| 最近の知的財産政策について |
経済産業省 経済産業政策局 知的財産政策室長 |
| 新経済成長戦略の実行について |
経済産業省 経済産業政策局 経済産業政策課 政策企画官 |
わが国の経済の現状と産業活力再生法の 改正案のポイント |
経済産業省 経済産業政策局 産業再生課長 |
| 国際関係研究部会 |
| テーマ |
スピーカー |
| 21世紀の国際戦略 |
経済産業省 通商政策局 企画官 |
| 地域を元気にする対日直接投資 |
内閣府政策統括官 |
| 最近のアフリカ情勢と対アフリカ支援 |
経済産業省 通商政策局 通商交渉官 |
| アジアを中心とした国際経済情勢について |
経済産業省 大臣官房審議会(貿易経済協力局担当) |
| 安全保障貿易管理の現状と課題 |
経済産業省 貿易経済協力局 安全保障貿易管理課長 |
| 資源エネルギー研究部会 |
| テーマ |
スピーカー |
| 原子力安全規制の改革に向けて |
経済産業省 原子力安全・保安院長 |
| 省エネルギー、新エネルギー政策について |
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長 |
| エネルギー問題の現状と課題 |
資源エネルギー庁 資源・燃料部長 |
| 中長期のエネルギー戦略 |
経済産業省 大臣官房審議会 (エネルギー・環境担当) |
| 最近の原子力の話題 |
経済産業省 原子力安全・保安院審議官 |
| スマートグリッド 最近の動向 |
資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー社会システム推進室長 |
| しのぎを削る資源獲得競争 |
経済産業省 資源エネルギー庁 資源燃料部長 |
| 情報・通信研究部会 |
| テーマ |
スピーカー |
| ITが問いかける日本経済の限界と再生の条件 |
経済産業省 商務情報政策局 情報経済課長 |
| クラウドコンピューティングの導入と地方行政の展望 |
総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 高度通信網振興課長 |
| ユビキタスネット社会の実現に向けて |
総務省 情報通信政策局 研究推進室長 |
安心・安全な情報通信ネットワークの実現に向けて 〜情報セキュリティの動向と今後の課題〜 |
総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 電気通信技術システム課長 |
放送をはじめとするデジタルコンテンツの 知的財産戦略 |
内閣官房知的財産戦略推進事務局 内閣参事官補佐 |
| 技術・環境研究部会 |
| テーマ |
スピーカー |
| 地球環境問題への取り組み |
経済産業省 産業技術環境局 環境ユニット担当審議官 |
環境インフラの今後 〜循環型社会の構築に向けて〜 |
特定非営利活動法人 循環型社会推進センター理事長 |
| 我が国製造の現状と課題 |
経済産業省 製造産業局次長 |
| イノベーションのダイナミズムをめざして |
(独)産業技術総合研究所理事 |
バイオ分野のイノベーション推進について 〜医療制度改革を含め〜 |
経済産業省 製造産業局 生物化学産業課長 |
| ニューMETI研究部会 |
| テーマ |
スピーカー |
| 正しいマクロ経済運営を求めて |
経済産業省 経済産業政策局 調査課課長補佐 |
| 産業政策再々考 |
経済産業省 大臣官房政策企画室 企画主任 |
| 最近の米国の政治・経済情勢 |
経済産業省 通商政策局 米州課課長補佐 |
| 産業人材政策の推進について |
経済産業省 経済産業政策局 産業人材参事官補佐 |
| M&Aの現状と敵対的買収防衛策について |
経済産業省 経済産業政策局 産業組織課課長補佐 |
| マスコミ研究部会 |
| テーマ |
スピーカー |
たかが支持率、されど支持率、 小泉内閣超高支持率の構造 |
毎日新聞社 論説委員 |
| 中国と日本、いかにしてつきあうべきか |
人民日報社 日本支局長 |
| グローバル・ビジネスマンに望むもの |
NHK特別主幹 |
| 小泉メールマガジンと国民との対話 |
(独)経済産業研究所 上席研究員 |
| 現代社会を捉える視点 |
関西学院大学教授 |
| 財務・金融研究部会 |
| テーマ |
スピーカー |
| 21世紀の税制上の課題とは |
大阪大学法学部教授 |
| 経済構造改革は進んでいない |
経済産業省 大臣官房企画課 政策企画室長 |
| わが国におけるM&Aの課題について |
内閣府経済社会総合研究所 総括政策研究官 |
| 活力と税制改革 |
日本租税総合研究所 所長 |
| 政経研究部会 |
| テーマ |
スピーカー |
| 政局のウラ・オモテ |
産経新聞社 論説副委員長 |
| 民主党の課題 |
衆議院議員 |
| 衆院選を目前にして |
毎日新聞社 政治部長 |
| これからの政治情勢 |
毎日新聞社 政治部長 |
| 時局を語る |
衆議院議員 自由民主党幹事長代理 |
| 政策研究部会 |
| テーマ |
スピーカー |
| 同時テロを契機とした我が国の有事体制について |
経済産業省 大臣官房政策企画室長 |
| コンプライアンスと企業経営 |
弁護士 |
| 公益法人制度改革について |
公益法人制度改革推進室長 |
| 郵政民営化について |
郵政民営化委員会事務局長 |
| 「再チャレンジ支援総合プラン」について |
内閣官房再チャレンジ担当室長 |
| 国土交通研究部会 |
| テーマ |
スピーカー |
| 国土交通省の新たな政策課題について |
国土交通省 総合政策局政策課長 |
| 我が国空港設備の現状と課題 |
国土交通省 大臣官房審議官 |
| 整備新幹線の見直しについて |
国土交通省 鉄道局次長 |
| これからの航空政策 |
国土交通省 航空局次長 |
ビジット・ジャパン・キャンペーン 〜日本を開く試み〜 |
国土交通省 総合政策局 国際観光推進課長 |
| 時局懇談会 |
| テーマ |
スピーカー |
| 日本経済再生 |
経済産業事務次官 |
| 財務事務次官 |
| 国土交通事務次官 |
| 外務事務次官 |
| 総務事務次官 |
| 文部科学事務次官 |
| 法務事務次官 |
| 防衛事務次官 |
| 環境事務次官 |
| 人事院総裁 |
| 公正取引委員会委員長 |
| 金融庁長官 |
3.資料の収集と提供
| ① |
毎週、経済産業省、財務省および首相官邸の政策の動きをわかり易く解説した「経済産業情報」、「財務情報」および「官邸情報」を会員に無料配布します。 |
| ② |
毎週、経済産業省の資料目録を会員に配布し、目録記載の資料を実費でコピーサービスします。 |
4.出版物の作成と提供
| ① |
毎年、中央8省庁の課長以上幹部の全経歴がわかる「官庁名鑑」シリーズ(時評社刊)を、発刊のつど会員に無料配布します。 |
| ② |
毎年、ポケット版の「年次別官庁名簿」を作成し、会員に無料配布します。 |
| ③ |
季刊の機関誌「虎研会報」を編集し、会員に無料配布します。 |
| ④ |
株式会社時評社にて発刊した単行本を適宜、会員に無料配布します。 |
5.行政に関する世論調査
会員を対象とする、主として国政に関するアンケート調査を実施し、その集計結果をもとに民間としての要望・注文・意見をまとめ、関係当局に建議し、民間のニーズを行政に反映させます。
6.地方自治体との交流
地域振興・企業誘致などにユニークな動きのある地方自治体(県・市など)の現地視察を行います。工業団地、研究施設などの視察のほか、自治体首長(知事・市長)、商工会議所など経済団体などとの懇談会を開き、会員のビジネスチャンスを広げます。これまで鹿児島県、大分県、千葉県浦安市、東京湾ウォーターフロントなどの現地視察、政経懇談会を開きました。
7.国内視察
つくば研究学園都市、NTT研究施設、リニアモーターカー体験試乗など公共および民間の研究施設や工場の見学会を開いています。
8.海外経済視察
中国(北京・上海)、シンガポールなど世界経済をリードする国を訪問し、政府要人との情報交流会を通じ、その国の経済状況の実態を視察する。
9.その他
ゴルフコンペ、懇親会など随時開催し、会員間の親睦を図っています。