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海外では国内と異なるさまざまなリスクがあり、特にテロの脅威は依然深刻です。それが鮮烈な形で私たちに襲い掛かってきたのが、2016年7月1日にバングラデシュの首都ダッカで起こった襲撃事件です。武装グループがカフェレストランを襲い、20名以上の方が亡くなりました。その中には、現地で国際協力に携わる邦人7名も含まれていました。われわれ邦人保護を担当する者にとって一生忘れることのできない事件です。この年の7月は〝魔の7月?と記憶されるほど多くの事件が起こりました。ダッカ事件の第一報がもたらされたのは土曜日の未明でしたが、次の週末に当たる7月8日には南スーダンで大統領派と副大統領派の間で衝突が起こり、外務省では在留邦人の退避に取り組みました。さらに次の週末の7月14日、南仏・ニースで、花火大会に来ていた人々の列にトラックが突入し、80名以上の方が亡くなりました。7月14日はフランスの革命記念日です。結果的に邦人の被害者はいませんでしたが、ニースはリゾート地として名高く、邦人も多く訪れる場所で、安否確認は困難を極めました。さらに、その翌日15日にはトルコでクーデター未遂があって、イスタンブールのアタテュルク国際空港で百数十名の邦人が足止め状態になり、われわれはその支援に当たりました。そして次の週末にかけては、ドイツで、ショッピングセンターでの銃撃や音楽祭会場付近での爆発事件が発生しました。まさに週末ごとにさまざまな事件が起こり、邦人を取り巻く安全状況は非常に厳しいものであると痛感した1カ月でした。テロのハードルは低く日本人もターゲットに外務省に提出されている在留届(外国に3カ月以上滞在する場合、提出を旅券法によって、義務付けられている)を見ると、現在、約130万人の日本人が海外で長期滞在しています。一方、旅行など短期間も含めて、海外渡航する方は年間1700万人です。短期、長期の滞在を合わせると、常時150?160万人ほどの日本人が海外にいるということになります。これだけの規模の方々が、さまざまなリスクに直面しているということです。ヨーロッパでは21世紀に入ってからもさまざまなテロが起こっていて、2004年、スペイン・マドリードでの列車爆破、05年にはイギリスで地下鉄・バスが連続爆破された事件で、非常に多くの方が犠牲になりました。この二つの事件は、アルカイダとの関連が指摘されています。その後しばらく大きなテロはありませんでしたが、15年1月にフランスの風刺新聞『シャルリーエブド』の編集部が襲われ、同年11月にはパリのスタジアムやカフェで同時多発テロが起こりました。さらに、フランスの事件に関連し、ベルギー・ブリュッセルで空港や地下鉄が襲われています。そして前述のニース事件があり、ドイツで音楽祭を狙った爆破事件能化正樹昭和34年生まれ、兵庫県出身。東京大学法学部卒、昭和57年外務省入省。平成15年アジア大洋州局大洋州課長、18年在フランス大使館公使、21年エチオピア兼ジブチ日本国大使、23年内閣情報調査室次長、27年10月より現職。海外安全対策特集海外安全対策を、トップのリーダーシップで~「ゴルゴ13マニュアル」「たびレジ」活用を世界中で相次ぐテロ事件――。海外160万人の邦人も、日々さまざまなリスクにさらされている。日本の主権が及ばない外国において身を守るには、第一に個人の危機管理意識の向上、そして、所属する企業・団体の綿密な安全対策が不可欠だ。外務省では「ゴルゴ13 海外安全マニュアル」や「たびレジ」などでさまざまな情報を提供している。数々の取り組みについて、外務省・能化領事局長に聞いた。(この記事は2017年5月12日に行われた講演会などをもとに構成しています。)のうけまさき外務省領事局長世界で広がるイスラム過激派組織等によるテロ事件等57 2017.7 2017.7 56