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環境省地球温暖化対策事業政策最前線

低炭素社会の実現と防災×気候変動対策の取り組み
―ZEB、ZEH化の推進とナッジ、そして気候変動への備えとして―

環境省地球環境局地球温暖化対策課地球温暖化対策事業室長 相澤寛史氏
環境省地球環境局地球温暖化対策課地球温暖化対策事業室長 相澤寛史氏

温室効果ガス削減対策として環境省の進めるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化。最新技術による省エネと効率的な創エネによって年間のエネルギー消費量を概ねゼロにするものだが、その推進に向けた環境省の施策にはどういったものがあるのか。また低炭素型の行動変容を促す情報発信(ナッジ)とはどういったものなのか。低炭素社会の実現と、それと連動した自然災害への備えとしての環境省の取り組みについて、環境省地球温暖化対策事業室の相澤室長に話を聞いた。



温室効果ガス削減に向けたZEB、ZEH化の推進


――温室効果ガス削減に向けて、政府は2030年度に13年度比マイナス26%とすることを目標にしています。目標達成には、業務その他部門におけるCO2排出量約40%の削減が必要とされる中、環境省では低炭素促進事業として業務施設のZEB化や戸建住宅のZEH化を推進していますが、改めてZEB、そしてZEHの概要について、またその役割についてお聞かせください。


 相澤 そもそも、なぜ温室効果ガスを削減する必要があるのかについて、触れさせていただきます。近年、日本はもちろん、世界中で異常気象が発生しています。日本では、昨年、一昨年と続けて豪雨や強い台風による甚大な被害がありました。世界的にも、オーストラリアでは乾燥による山火事、ヨーロッパではフランスで40℃を超える熱波が生じました。こうした異常気象は、温暖化が進めば進むほど激甚化すると言われています。2015年に採択された「パリ協定」では、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1・5℃に抑える努力をする」ことを目標としていますが、最近の世界気象機関の報告によれば、既に気温が約1・1℃上昇しています。


 そのため、温暖化への対策は喫緊の課題です。昨年6月に閣議決定された「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」においても、今世紀後半のできるだけ早い時期に脱炭素社会の実現を目指すとしています。簡単に言えば、実質的に二酸化炭素などの温室効果ガスを出さない社会の構築が究極的な目標であり、その究極目標に至るために、温室効果ガスを削減していかなければいけませんので、まずは30年度までに26%の削減を目標としています。

 では改めて、ZEBとZEHについてお話します。まずZEBとは……(続きはログイン後)

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