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集中連載「空の産業革命」実現に向けて

ドローンを、“革命”の中核として~2022年度に有人地帯・目視外飛行の実現を目指す~

内閣官房小型無人機等対策推進室 内閣参事官   長﨑敏志氏
内閣官房小型無人機等対策推進室 内閣参事官 長﨑敏志氏

昨年取りまとめられた「空の産業革命に向けたロードマップ2019」では、2022年度を目途にレベル4、すなわちドローンの有人地帯・目視外飛行を実現するという目標が明記されている。この目標が達成されれば、わが国が抱えているさまざまな課題に対応するための大きな1歩を踏み出すことになる。ドローン利活用の拡大に対する期待が年々高まっている中、現在の論点と乗り越えるべき課題はどこなのか、長𥔎参事官に解説してもらった。

撮影・記録から実物輸送へ
――近年、ドローンによる「空の産業革命」実現に向けた動きが活発化していますが、政府の取組姿勢をお聞かせください。

長﨑 空の交通に関しては、飛行機が人やモノの長距離・高速輸送の主体として国民の皆様に最も接点のある存在だと思われます。加えて、救急医療や報道用にヘリコプターが以前から活用されてきました。

 しかし、近年の技術革新により、ドローンの存在が非常に注目を集め、「空の産業革命」とも言われています。一方で、これまでの政府の取組は、2015年に総理官邸内にドローンが墜落したことに始まり、どちらかというとテロ対策を含めたセキュリティの確保が政策の中心でした。しかし、諸外国の状況、及びわが国が抱える社会的・経済的課題に照らしてみても、ドローンの有用性は年々クローズアップされてきています。政府としても、セキュリティと利活用を車の両輪として取り組むとの認識の下、技術開発と環境整備を官民が一体となって進めるため、ロードマップを策定し、施策を展開しています。私の所属する小型無人機等対策推進室は、政府内では「ドローン室」と呼ばれていますが、このロードマップの着実な推進の中核を担っています。

――わが国が抱える社会・経済上の課題というと、一番に想起されるのは少子高齢化ですね。

長﨑 はい、程度の差こそあれ、この課題はどの国でもほぼ同様だと思われます。特にわが国では、少子高齢化に加え、地方の過疎化も深刻な課題で、ネット通販の普及に伴う小口・定時輸送の需要が右肩上がりで高まっていますが、全国どこでもユニバーサルな郵便・宅配サービスを確保するのはかなり苦しくなってきているという現状があります。

 この状況を打開できるものとして期待されているのがドローンです。これまではインフラ点検や農業分野での利用、上空からの映像撮影、測量などで活用されてきましたが、今後は、物流分野での利用も拡大してくことが期待されます。過疎地に小口の荷物を頻繁に運ぶという需要に対し、かなりの役割をドローンが担うことができるのではないかと思っています。その実現のためには、有人地帯におけるドローンの目視外飛行が不可欠です。

――そうした背景のもと昨年6月に「空の産業革命に向けたロードマップ2019」が取りまとめられたわけですね。

長﨑 おっしゃる通りです。ロードマップ2019においては、ドローンの活用をレベル1~4に区分しています。これまではレベル3、すなわち無人地帯での目視外飛行が認可されていました。しかし、これは活用のパターンとしてはかなり限定的にならざるを得ず、山小屋に荷物を運ぶとか福島の被災地における小口郵便などで利用されているにとどまっています。これをさらに広げるとなるとレベル4、つまり有人地帯での目視外飛行を可能とするようにしなければなりませんので、そのために必要な制度や諸課題をどうすべきかを検討するというのが、ロードマップ2019のポイントです。

環境整備と技術的裏付け
――では、そのポイントの詳細をお聞かせください。

長﨑 大きく二つあります。一つは(……続きはログイン後)

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