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【レポート】「太平洋岸自転車道」開通/神奈川県大磯町

渡り初めを行った中﨑町長(左)と髙橋町議会議長。
渡り初めを行った中﨑町長(左)と髙橋町議会議長。

 神奈川県大磯町で整備が進められていた「太平洋岸自転車道」の工事が完了し、6月26日に開通した。当日は、中﨑久雄・大磯町長と髙橋英俊・大磯町議会議長が自転車で開通区間を走った。

 太平洋岸自転車道は、千葉県銚子市を起点として、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県の沿岸を走り、和歌山県和歌山市まで約1400キロメートルを結ぶサイクルロード構想で、各地で整備が進められている。

 今回開通したのは、大磯町内の国府本郷地先(旧吉田茂邸~大磯西インターチェンジの間約0・3キロ)で、これまで川によって分断されていた大磯町内の太平洋岸自転車道が全線つながった。

 渡り初めを終えた中﨑町長は「道は文化と経済を運ぶ。整備に尽力いただいた国土交通省に感謝している。この自転車道を誇りに思い、町民とともに後世に伝えたいと思っている」と喜びを語った。また、普段から自転車を活用しているという髙橋町議会議長は、「海風を感じ、たいへん爽快な気分で走れた。町民にも大いに活用していただき、健康づくりに役立ててもらいたい。大磯の周遊観光に役立つことを期待したい」と述べた。

 大磯町ではかねて自転車を活用した観光振興に力を入れており、今回の開通が観光客の周遊環境を大きく向上させるものになると期待をかける。また、大磯町では観光客や町民へのサービスの一環として、2018年から民間企業と連携したシェアサイクルの環境整備を行ってきた。既に設置されている赤いフレームが特徴的な㈱陽報(本社:川崎市)の「レッツバイク」に加え、湘南地域4市3町の広域で実証実験が始まっている「ハローサイクリング」のポートが2020年7月から新たに町内に設置され始めている。

 「自動車道が大動脈だとしたら、自転車道は毛細血管」と、医師でもある中﨑町長。「町の隅々まで活力を広げてくれるものになると期待し、街づくりに大いに生かしたい」(町長)と期待を語った。
(月刊『時評』2020年8月号掲載)

白い「ハローサイクリング」のシェア自転車
白い「ハローサイクリング」のシェア自転車
 赤い「レッツバイク」。
赤い「レッツバイク」。