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シリーズ/2020新たな都市を展望する【池袋】

ハイとローの文化を融合させた“逆転都市”池袋

建築家 隈研吾氏
建築家 隈研吾氏

 東京各エリアで、大規模都市再生・再開発の大型プロジェクトが複数進行している。東京各地域の歴史や特性を生かしつつ、新たな機能と役割が加わり、何より人と人とが憩いコミュニケーションを取る空間として、いずれも従来の都市が生まれ変わろうとしている。
 そのプロジェクトに参画し、構想から具現化へ大きく尽力した建築家・隈研吾氏に、各回にわたり代表的なプロジェクトについて、コンセプトや現在の手ごたえ、新たな都市づくりへの思いを語ってもらう。
 今号は、既存のローカルチャーに加え、新たにハイカルチャーの要素を導入・体現し、見事に〝消滅可能性都市〟から〝住みたいまち〟への逆転を果たした豊島区・池袋について、再生をけん引した行政の役割についても言及してもらう。

 池袋のまちがある豊島区は、言わば〝都市の大逆転〟を見事に体現したまちであると言えるでしょう。周知のとおり、かつては東京の中で唯一、消滅可能性都市として取り上げられ図らずも注目を集めてしまいましたが、今では〝住みたいまち〟の上位にランキングされるほど、様相が大きく変わりました。しかも、若者に人気があるまちへ変化していったことが大きな特長だと思います。

 しかもこの大きな変化への具体化が、豊島区役所、すなわち行政主導であることに着目すべきです。例えば……(続きはログイン後)

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