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シリーズ/2020新たな都市を展望する【渋谷】

渋谷における画期的な“つなぎ直し”

建築家 隈 研吾氏
建築家 隈 研吾氏

 東京各エリアで、大規模都市再生・再開発の大型プロジェクトが複数進行している。東京各地域の歴史や特性を生かしつつ、新たな機能と役割が加わり、何より人と人とが憩いコミュニケーションを取る空間として、いずれも従来の都市が生まれ変わろうとしている。
 そのプロジェクトに参画し、構想から具現化へ大きく尽力した建築家・隈研吾氏に、各回にわたり代表的なプロジェクトについて、コンセプトや現在の手ごたえ、新たな都市づくりへの思いを語ってもらう。
 今号は、2027年までの長期にわたる大型再開発のただ中にあり、昨年秋には中核とも言うべき渋谷スクランブルスクエアがオープンして、ますます注目度を増している渋谷について解説してもらった。

 渋谷というエリアは総じて、20世紀的にはターミナル、つまり交通の結節点としての役割が大きく、人々が集まる主目的もそこにあったと思います。つまり、主役は鉄道などのインフラであり、人間が主役ではなかったと考えることもできるでしょう。それに対し21世紀は、人間が主役になって、むしろ交通機関をはじめとするインフラはそれをサポートする存在になるという転換が起きつつあります。東急さんが構想していたまちづくりとはそうしたものでないかと私は理解しています。

 当然、主役の交代を都市において具現化するのは大手術となるため通常のプロジェクトではなかなか難しいものがありますが……(続きはログイン後)

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