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集中連載「空の産業革命」実現に向けて

ドローンによる、新しいソリューションの提供

経済産業省製造産業局産業機械課長 玉井 優子氏
経済産業省製造産業局産業機械課長 玉井 優子氏

 幾多の課題を抱える日本社会に、全く新しいソリューションを提供する――。成長著しいドローンには、そうした技術面での使命があると玉井課長は指摘する。あと数年後に迫った有人地帯目視外飛行の実現に向けて急ピッチで実証が進む中、その先には用途やニーズに応じて改良された多様なドローンが、ごく普通に空を飛び交う未来像が描かれている。

市場規模、5年後に3倍

――ドローンに関する、現在の状況から教えてください。

玉井 一般に〝ドローン?という用語が普及し始めてからまだ数年ではありますが、それでも2019年度現在、国内市場は機体とサービスを合わせて約1500億円にのぼると言われています。それが22年度には約3500億、24 年度には5000億超へ、つまり3年後に2倍、5年後に3倍へと急速に拡大すると推定され、特にサービス市場は今後の数年間で大きく拡大すると考えられています。

 これまでは実証のフェーズだったドローンですが、これからはいよいよ産業として社会実装されるという次のフェーズに移行しつつあると言えるでしょう。そして、これから直近の数年間、産業として育っていく中で、まさに〝空の産業革命?が起きてくるのではないかと思われます。

――国内市場の成長著しいドローンですが、海外の市況と比較するといかがでしょうか。

玉井 市場としての成長性は、各国とも日本と同様これからという段階にあり、まさしくそこで機体やサービスに関する競争が起こっていますし、さらに制度をどう構築していくか、これも同じく競争が激しくなっています。

――ドローンの用途は、一時期の空撮や農業利用から、現在は測量、インフラ点検、災害対応、そしていよいよ物流へと活用の幅が広がりつつあると考えてよいでしょうか。また、活用法に関して日本が他国に先んじている分野などはいかがでしょう。

玉井 日本ではドローン活用の初期段階として、無人ヘリを使って農薬散布を行うといった農業利用が先行してきました。中国などでは……(続きはログイン後)

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